42丁目の一番西のウェストサイドハイウェイーに行くと突如として現れる航空母艦。これがイントレピット海上航空宇宙博物館です。
イントレピットは1982年に博物館として再利用されてここに展示されていましたが、2006年に改修され今年の秋に司令塔などが整備されて再オープンしました。
イントレピットは1943年に建造され、1944年にトラック島で日本軍の魚雷を受け損害を被ったとありますが、その後も同年10月30日にレイテ沖で1回、11月にも2回の特攻機の激突を受けて大きな損害を受けたそうです。1945年には硫黄島の上陸作戦支援、日本本土空襲作戦にも参加したとあります。また戦艦大和の以下の日本海軍第二艦隊への奇襲作戦にも参加したそうです。
特攻機の突撃を受けた際の残骸の一部なども展示してあり、これは機関銃の一部で、九九式一号固定ニ型改一と書いてあります。 飛行甲板には、海軍、空軍、陸軍、海兵隊、コーストガードなどの各種航空機が展示してあります。やはり人気はトップガンでおなじみのF14トムキャットと最速の偵察機ロッキードA12ブラックバードのようでした。
司令塔から甲板を眺めたところです。向こうにはマンハッタンが見えます。
学校の社会見学コースになっているようで、昼間は小学生のグループがたくさん見学にきています。またやはり年配のベテランと呼ばれる退位軍人の見物客も多いですね。館内の職員もそういう方が多いようで昔話に花をさかせている光景がいたるところでみられました。
司令塔の最上階に”Captain’s Bridge”があります。青いキャプテンズ・チェアーの横には揺れてもこぼれないようにバランスをとれるカップホルダーと、パイプか葉巻用のソーダ缶のように大きな灰皿が備え付けてありました。
キャプテンズ・ブリッジのすぐ後ろに操舵室があります。ぴかぴかに磨かれた真鍮の円盤が操舵輪です。退役軍人の方(おそらく80才を超えてらっしゃるでしょう)がいて丁寧に質問に答えてくれます。よほどここが好きなんでしょうね。
そのすぐ後ろに、船長室がありましたが、映画などでみる船長室とは違って、機能的というか無味乾燥な狭い部屋でした。
ここは攻撃を直前に控えたパイロット達にブリーフィングを行う”Ready Room”です。長時間待機というケースもあるため、座り心地のよい疲れない椅子になっているのだそうです。
この他、レーダー室や甲板の飛行機をコントロールする部屋などすべてこの司令塔の中にあって見学することができるようになっています。昔の無線機材、レーダーなど、まだダイヤルやスイッチが動くものもあって良好な状態で残っています。
イントレピットはこの航空母艦だけではなく、英国航空のコンコルドや、Growlerという潜水艦(現在は修復中)も展示されています。飛行機が好きな男の子には楽しいアトラクションでしょう。
ところで航空母艦といったおよそニューヨークに不似合いな代物がここにあるんだろうと思いませんか? アメリカという国は、特に田舎に行くとわかりますが退役軍人も含めてミリタリー関係者が意外に多いんですね。またこういった方々が敬意と感謝もって迎えられるという習慣もごく一般的のようです。独立を戦いによって勝ち取ったという国の成り立ちからかもしれません。
[geo mashup map]
【参照サイト】
イントレピッド海上航空宇宙博物館
Intrepid Sea-Air-Space Museum
http://www.intrepidmuseum.org/
【参考記事】
・ワシントン・スミソニアン航空宇宙博物館新館~月光、紫電改、桜花も見れる
・ワシントン・スミソニアン航空宇宙博物館~ポロ11号、ゼロ戦などの展示~
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