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太平洋岸沿いにロサンゼルスからシアトルまでアムトラックで大縦断!海沿いの景色では人気No.1「アムトラック・コースト・スターライト号」の2日間の旅 ‘‘Coast Starlight‘‘

アメリカ人の旅行はもっぱら飛行機と車でするものと思いがちですが、意外や意外、アムトラックでのんびりと時間をかけての旅も根強い人気があるのです。ロサンゼルスのユニオン駅からシアトルのキング・ストリート駅まで約35時間かけてゆっくりと列車の旅を楽しめるコースト・スターライト号(Coast Starlight)をご紹介します。

DSC 0313 625x415 歴史的建造物にも指定されているロサンゼルス・ユニオン・ステーション ~空港とは違う旅の情緒が感じられる駅~《ホップオンホップオフ観光バス=37番停留所》

体力に自信があればコーチ・シートに挑戦ももちろんありですが、旅を2倍も3倍も楽しめる寝台車(Sleeping Car)がやっぱり長旅にはお勧めですね!

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ロサンゼルスのユニオン・ステイションではスリーピング・カー予約者専用のメトロポリタン・ラウンジが利用できます。ここでチェックインができ、レッド・キャップの運転するカートでスリーバー・キャビンまで送ってくれます。 もちろんソフトドリンク、スナックもあります。

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スリーパー車両では、これから2日間お世話になるキャピンの専任のアテンダントが出迎えてくれます。ベッドメイキングはもちろん、ルームサービスなど何でも気軽にお願いできます。

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スリーピング・カーの個室はサイズによって3種類。1番数多くて人気なのが2人用のスーパーライナー・ルーメット(Superliner Roomette) ↓

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スリーパーの車両は全て2階建てなので、スーパーライナー・ルーメットは1階と2階にあります。造りとサイズは1階も2階もすべて同じ、ルーム番号もすべて同じなので車両の番号をしっかり覚えておかないとドアを開けたら” I’m sorry, it’s wrong room! ” ってな事になりかねません。

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2人用ですが、1人で贅沢に利用する人も多いようです。(何冊も本を持ち込んで読書にふけってる人もいました)

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タッチスイッチで、読書用のライト、室内灯がコントロールできます。アテンダントを呼びたい時は真ん中のスイッチにタッチします。

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反対側の席には、読書灯の他にACコンセントと室内温度調節のダイヤルがあります。

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二段ベッドは、さすがにどんなメタボのアメリカ人にもビクともしないくらい頑丈にできてますが、ベッドの上げ下げは手前のレバーで簡単にできます。

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向いあったシートは、レバー1つでスライドさせてフラットベッドに早変わり。マットレスとブランケットは上のベッドに入ってます。マットレスは適度に硬くて、寝心地は抜群!

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スパーライナー・ルーメットは下(グリーンの部分)のようになっていて、通路の両側に2階に10ユニット、1階に4ユニットが配置されています。トイレは1階と2階にあり、シャワー・ルームは1階にがあります。

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各車両にはコーヒー、ソフトドリンク、ジュースが常に用意されています。リンゴとオレンジも食べ放題。

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そして最もデラックスなのが2階に5ユニットある、スーパーライナー・ベッドルーム・スイート↓↓ ルーメットの約2倍のスペースがあって、完全に個室といった感じです。

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ベッドルーム・スイートは2人用のスリーパーで何と言ってもシャワールーム付なのが物凄く便利!シカゴまで行くゼファー号や、テキサスからニューオーリンズまで行くサンセット・リミテッドなどの長旅にはこのベッドルーム・スイートが最も快適です。

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そしてルーメットよりは高いですが、ベッドルーム・スイートより安くて、家族4人で泊まればかなりお得な・ファミリー・ベッドルーム ↓

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大人2人+子供2人用で、家族連れには最適です。1階の両端にあるので窓は小さめですが、左右の景色が楽しめるのもプラスです。

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さて、出発するとすぐに車掌さんが切符の確認に来ますが、切符といっても今は携帯か、E-チケットのプリントアウト。 車掌さんもそれらをスキャンしておしまい。しばらくして食事時の1時間前くらいになると、食事の予約時間を聞きに来てくれます。

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寝台車と1等乗客専用の「パシフィック・パーラーカー」↑ 食事の時間は寝台車のお客様を優先にしてくれるので、お腹の空き具合に食事時間をぴったり合わせられます。

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そして、こちらはダイニング・カー ↑  パーラーカーではメニューが限定されますが、ダイニングカーではフル・メニューで食事ができます。

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ソフトドリンクは食事に含まれていますが、アルコール類はチャージされます。そして、アルコールを頼まなくても$1、$2はチップはお忘れなく。ウェイトレスもウェイターも会話を盛り上げてくれるなかなかのエンターテイナーです。

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ランチは定番のサンドイッチやハンバーガーですが、ディナーはパン、サラダ、メインディッシュとデザート、ティー・コーヒー。メインディッシュはアメリカ人には量的にちょっと物足りないのでは?と思うくらい小ぶりです。もっとも、デザートがかなりコッテリしているので日本人にはぴったりなサイズ。

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ところで、食事は4人がけのテーブルなので他の乗客との合席が基本。毎回違った人とテーブルをシェアすることになって、始めは何から話したらいいか戸惑いますが結局のところ、アメリカン人は勝手に話し出すので気遣いは無用! 結構楽しい時間となります。

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テーブルを挟んでいろんなアメリカ人に会った話は最後の方にする事にして、ロサンゼルスを出発してからの時刻表は次のとおり。ロサンゼルスを10:10amに出発して、サンタバーバラ、パソ・ロブレス、サンノゼを通り、オークランドに到着するのが、9:24pmです。

Coast Starlight

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サンタバーバラを過ぎるあたりから、コースト・スターライトの名の通り海岸沿いを2~3時間走りますが、この風光明媚な眺めはアムトラックの路線の中でも、ピカ一!大人気の路線となっているのも納得です。

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ちょうどお昼時がサンタバーバラを出たあたりです。ダイニング・カーからも抜群の景色を眺める事ができます。

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日本でもキャンピングカーが人気上昇中ですが、波うち際にキャンパーを停められるなんてのは日本キャンパーにとっては夢のような話です。

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独り占めできそうな広々としたビーチ。

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サン・ルイス・オビスポ駅(Paso Robles)の駅に到着。普通は3-4分の停車ですが、ここはSmokerのために10分以上停まってくれます。

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ここで一部の乗務員が交代して、サンノゼ、オークランド、サクラメントに向かいます。サクラメントに到着するのは11:50pmでほぼ真夜中。

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アテンダントがサンノゼに到着する前の8pm頃からベッドメイキングをしてくれます。オークランドに到着する頃には、心地よい適度な揺れもあってぐっすり寝ている乗客も多いですね。

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朝、6am~6:30am頃に、セドナと並ぶパワースポットのマウント・シャスタの西を通過します。天気がよければ、進行方向に向かって右側にシャスタ山を見ることができますが、今回は曇っていて見ることができませんでした。

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ですが、もうカリフォルニアからオレゴン州に入ったところで、これもインディアンの聖地と言われるクレーター・レイクの東に聳える標高2,723メートルのマウント・スコットを見ることができました。 ↑  白い雪を頂いたシルエットは富士山を彷彿とさせます。オレゴン州は見渡す限りの牧草地帯も見ものです。

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オレゴンのポートランドには、途中信号待ちやブレーキ・ケーブルの交換で30分遅れで到着。ここもSmoking Spotとして15分ほど停車します。Portland Union  Stationというだけあって、立派なロビーです。

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WSDOT(Washington Stated Dept. of Transportation)という、オレゴン州のユージンからカナダのバンクーバーまで運行している列車↓ 古めかしい鉄の塊のようなアムトラックと較べると、軽快な車両。

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ポートランドを出てワシントン州に入ると、氷河の侵食でできたこれまた風光明媚なピージェット湾に沿ってシアトルまで向かいます。 ロサンゼルス発だと夕暮れ時になりますがシアトル発だと午前中にピージェット湾の景色を楽しむことができます。

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30分遅れでしたが、途中で遅れを取り戻したようで9:30pmにシアトル・キングストリート駅に到着。1906年に完成し、2003年に修復された白い大理石と天井のオーナメントが美しい荘厳な駅です。グレーシャー国立公園を経由して、今シェールガスで沸き立つノースダコタを通りシカゴまでを結ぶ、エンパイアー・ビルダー号の出発駅としても機能しています。

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シアトル・キングストリート駅のすぐ近くはシアトル・シーホークスや、シアトル・サウンダーズFCの本拠地であるセンチュリーリンク・フィールドもあって、ちょうどコースト・スターライナーが到着する時間は、試合の真っ最中でした。

 

【付録 】   今回、テーブルをご一緒させていただいた乗客の方々

・UCサンタバーバラの1先生の娘さんを訪ねに来たサンノゼ在住の女性娘のラブラブの彼氏との破談騒動をなだめに来たそうですが、その話が止まらず盛り上がっていました。 

・アラスカの森林消防隊だったご主人とチェナで小学校の先生だったご夫婦サンアントニオまでアラスカから飛んで、あとはずっとアムトラックで旅行中。 アムトラックの大ファンですが森に差し掛かると職業病か目がキョロキョロと・・・ 

・両親が2人ともFBI職員だったという、プロゴルファーを目指している青年ラスベガスのゴルフトーナメントに参加したが、スロットマシンでなんと$9000勝ったとの事。シアトル郊外にフィアンセと新居を構えるのだそうで結婚式をいつにしようか?楽しい思案中 

・クラヴィコードという15世紀からあるピアノのような繊細な楽器の演奏家。あとで調べたら大変有名な演奏家の方で本も出版されていました、日本に是非行ってみたいとの事。鍵盤はやさしく触れるように弾いてあげると、えも知れない良い音を奏でるのだそう。 

・サンディエゴのUCサンディエゴの総務の仕事を50歳でリタイアしたご婦人(羨ましい!)サンディエゴに40年以上住んだが、今はアムトラックでの旅行が生きがいとの事。

・LAからふらりとシアトルまで出かける事にしたという、ご主人がバイブラフォン奏者という女性。本人もパリトンサックス奏者でLAのジャズクラブで時々演奏している、ラーメンの食べ歩きも趣味だそう東京でベストラーメンを見つける事と、京都でお寺めぐりをする事が夢との事。

 

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日本のJRと違って、時間が不正確、遅い、遅れても謝らない、駅弁も’無い、1日1本しかないなど日本のサービス・レベルとは較べる由もありませんが、単に移動するだけ手段というだけではない、アムトラックそのものの魅力に取り憑かれてしまった根強いファンがいるんですね!時間に追われる飛行機と違って、アムトラックは遅れた方が余分に楽しめる!と思ったら、すでにあなたはアムトラックのファンになってる事間違いなしです。筆者も次回はサンフランシスコからカリフォルニア・ゼファー号でシエラネバダ山脈とロッキー山脈越えに挑戦してみたいと本気で考えています。

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関 克久