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長崎県五島市・福江島 ~東シナ海に浮かぶ祈りの島 Fukue Island ~ 

大小140 余りの島々が連なる五島列島 その玄関口である五島市の福江島は、遠い昔には遣唐使の最後の停泊地であり、潜伏キリシタンの哀史を秘めた祈りの島である。

明治になって禁教令が解かれた後、五島で最初に建てられた堂崎天主堂

長崎の海上約100km 、紺碧の東シナ海に浮かぶ福江島へは長崎空港から30分のフライトで到着する。まずは田ノ浦瀬戸の静かな海辺に立つ堂崎天主堂を訪ねた。福江島を中心とする五島市には20棟ほどの教会が点在しているが、堂崎天主堂は五島最初の天主堂であり、五島カトリックの総本山なのである。

堂崎天主堂の内部。現在は資料館的な性格が強いが、
信仰の拠点であることに変わりはない。
見学の際はくれぐれも敬虔な気持ちで接したい

300余年に及ぶキリシタン禁教令が解けたのは明治6年(1873)。その6年後の明治12年、フランスからこの地に来たマルマン神父が建立した。当初は木造だったが、現在のレンガ造りの建物は明治41年(1908)に完成したものだ。典型的なゴシック様式の教会建築は、信仰の自由を得た島の人々のシンボルとなってきた。
100年を経た今でもその堂々たる姿は変わらず、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として世界遺産暫定リストに登録されている。

木造瓦葺きの屋根に尖塔が立つ三井楽町の貝津教会

翌日は五島藩1万2千石の城下町として栄えた福江の町を散策し、福江城跡や立派な石垣塀の連なる武家屋敷通りなどを見て歩いた。

こぼれ石と呼ばれる丸い小石を積み重ねた
石垣塀が連なる武家屋敷通り

福江城は外国船来航に備え、江戸幕府の命により幕末の文久3年(1863)に築城された海岸防衛の海城。しかし、完成した4年後には大政奉還となって幕府は壊滅、やがて明治維新を迎える。

かつては三方が海に臨んでいた福江城。
壮大な石垣が国防の歴史を語る

 福江島はまた、グルメの島でもある。うにめしあわびの磯焼きはこふぐの味噌焼き…など魚介類を使った料理が楽しめるが、最近人気なのが本まぐろ。20年ほど前から本まぐろの養殖が行われ、現在では年間500~600本が出荷されているのだ。貴重な本まぐろが堪能できるのが 「まぐろ屋」。刺し身だけでなく、ステーキ、かまの塩焼き、煮物、サラダに茶漬けなどフルコースで味わえる。 定番の握り寿司や刺し身は無論だが、たっぷりと脂ののった中とろのステーキの旨さはたまらない。

「まぐろ屋」の本まぐろのステーキと刺し身、
握り寿司の盛り合わせ

脂ののりがよいのは、魚だけではない。塩分が適度に含まれた牧草を食べて育った純粋な黒毛和牛、五島牛も見逃せない。「和風レストラン望月」で食べたステーキは、赤身と脂のバランスがほどよく、妙に柔らかくないところがポイントだ。肉本来の弾力と味わいがしっかりと楽しめる。

「和風レストラン望月」の特選牛ロースセット

締めは、五島うどん。自生する椿から採った最高級の椿油や天然塩を使った手延べうどんである。「末広庵」で、地獄だきとも呼ばれる釜揚げを昆布ベースのあご出汁のつゆにつけていただくと、なめらかなうどんと上品なつゆの風味が広がった。

なめらかな味わいが魅力の「末広庵」の五島うどんの釜揚げ

味覚以外にも、カラフルで迫力のあるバラモン凧(バラモンとは五島の方言で「活発で元気」の意味)や、海の宝石と珍重されるサンゴの装飾品など、五島にはみごとな伝統工芸も受け継がれ、祈りの島の魅力は尽きない。

バラモン凧作り約40年の「五島民芸」の野原権太郎さん。
昔は和紙だったが最近は布を使い染料で彩色する。

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【文・写真】
木村小左郎(Kosaburo Kimura)
【協力】
五島市商工観光課
JTBコミュニケーションズ

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ルックアメリカンツアーのニューヨーク在住スタッフ。ニューヨークの旬ネタやグルメレポートなど「ニューヨークの今」をお届けいたします。旅のお役立ち情報も満載。
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