メサベルデ国立公園はコロラド州の南西の端、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコの州境(フォーコーナーズ)に近い所に 位置しています。アメリカの国立公園で唯一、自然のものではない世界文化遺産に指定された国立公園です。 メサベルデというのはスペイン語で緑の台地という意味だそうで、遺跡のあるところは国立公園の入り口から 延々と岩山を登るので、広大な台地であることがわかります。
メサベルデ周辺にはおよそ1900年前、アナサジと呼ばれる先住民族が住み始め、5世紀から9世紀にかけてプエブロ と呼ばれる部族を築くようになり、園内には100以上のその住居跡が見られます。住居に降りて見学できるツアーに参加するのがお薦めですが、ビジターセンターで当日しか購入できない、定員が50名と 限られているので、十分時間がないとシーズン中のツアー参加は難しいかもしれません。ですがビューポイントから代表的な住居跡は十分に見ることができます。
ツアーの代表的なのは、クリフ・パレスツアーとバルコニーハウスツアーですが、園内最大の岩窟住居である クリフパレスをご紹介します。 ツアーは約1時間、1人$3とお得です。南フランスから学生のグループが参加していましたが、ガイドのパークレンジャーの方は流暢なフレンチで説明していました。
クリフ・パレスのツアーは、3メートルくらいのはしごを登りますが、バルコニーハウスのツアーと比べると比較的誰でも 参加できる内容です。 バルコニーハウスの方は、かなりスリルのあるはしご登りと急斜面の岩山を登るので高所恐怖症の方にはお薦めできません。
クリフ・パレスは217部屋、4階建て相当の高さをもつ最大の住居跡との事で、祭祀を行ったキバも23室もあります。
屋根や床をささえる支柱には全て番号を刻んだ木製のラベルが埋め込まれていました。 考古学者が全て記録しているのだそうです。
1200年頃に突然姿を消したアナサジ族ですが、その原因はレンジャーの方の自論によると、人口の増加、飢饉、 人々の争いなどが原因であったろうとの事でした。 お互いに殺しあうほどの争いではなかったそうですが、お互いのストレスからこの地を後にしたのではないかとの事です。
ちなみに、「トイレはどうしたんでしょう?」との質問には、 「自然に任せて崖の下のほうに行ってそれぞれ用を足していた」との答えでした。
遺跡には沢山の窓があり、窓からは遥か向こうの台地が眺望できます。 朝日も、夕日も 晴れた日には素晴らしい光景だったのでしょう。 台地からは遥かかなたにモニュメントバレーが見える 展望台もありました。 当時の人はどんな思いでこの絶景を眺めたのか? ただ今も昔も人が感動する光景は 同じだったのだけは確かですね。
世界遺産メサベルデ国立公園 バルコニー・ハウス 断崖絶壁の岩窟
【関連記事】
・コロラドの温泉リゾート パゴサ・スプリング・リゾート&スパ
・コロラドの温泉 地元の人に人気の「オアシス・スプリングス」
・アメリカ最古の温泉「オホ・カリエンテ」 ニューメキシコ秘境の湯
・アメリカの異郷ニューメキシコ州 ~太古スピリッツが息づく土地~
・コロラド山岳鉄道「デュランゴ・シルバートン狭軌鉄道の旅」
・コロラド・アスペンのセレブご用達のラグジュアリーホテル
・神々の庭ガーデン・オブ・ザ・ゴッドとパイクス・ピーク・コグ・トレイン
・世界遺産メサベルデ国立公園バルコニー・ハウス断崖の岩窟住居
・カールスバッド洞穴群国立公園「ビッグルーム 想像を超えた神秘さ」
【関連ツアー】
・フライ&ドライブ、コロラドロッキー大自然に温泉を満喫 4日間
・コロラドエクスプレス 3日間 ”シルバートンから狭軌鉄道を楽しむ”
・コロラドハイライト 4日間 ”世界遺産メサベルデ国立公園とコロラド登山列車
・ ロッキーマウンテン 3日間 世界遺産メサベルデ国立公園、コロラド温泉満喫