アメリカの人気テレビドラマ「ブレイキング・バッド」の主人公ウォルター・ホワイト役で、一躍有名になった演技派俳優ブライアン・クランストンのブロードウェイ舞台「ネットワーク|Network」を見に行ってきました。ブライアン・クランストンは、今年の6月に発表になるトニー賞の主演男優賞候補に選ばれています!ネットワークは、1976年に公開された同名の映画を元にした舞台版。番組の質や内容よりも視聴率の獲得が重視されるメディアやニュースへの批判をテーマにした社会的作品で、2017年にロンドンで開演されローレンス・オリヴィエ賞の最優秀演劇作品賞を受賞しています。
あらすじ
長年テレビのニュースキャスターを務めてきたハワードは、視聴率の低迷で、首を宣告されてしまいます。ハワードは、首になったことへの怒りから、ニュース番組の生放送中に、暴言を吐き、1週間後の同番組中に公開自殺をすると発言します。この突然のハプニングに視聴者は大ウケで、視聴率がアップ。テレビ局は、ハワードの首を取り消して、彼が、怒りのまま好き勝手に暴言を吐くテレビ番組を作り、視聴率のアップをさらに狙う。視聴者の共感を得て、カリスマ的存在になったハワードは、ある日の番組中、テレビ局の親会社までも攻撃してしまう。テレビ局の上層部を怒らせたハワードの運命は。。。
みどころ
なんといっても、ブライアン・クランストンの迫真の演技。ブライアン・クランストンは、この作品で、ローレンス・オリヴィエ賞の最優秀主演男優賞を獲得しています。元報道部長でハワードの親友マックス役は、デミ・ムーア主演の映画「ゴースト/ニューヨークの幻」で悪役カールを演じたトニー・ゴールドウィン。そして、個性的なステージセットとハンドカメラのライブ映像を駆使したステージ演出は、圧巻です。ステージの左側は、副長室とドレッシングルーム、ステージ右側は、テレビ局の近所のバーになっています。手持ちカメラが、そのステージ端や裏にいる俳優、ステージに背を向けている俳優を追い、その映像が、ステージ中央の大スクリーンに映し出されます。まるで、映画と舞台を一緒に見ているような感覚です。ステージの上の特別席にも注目です。Foodworkと呼ばれるこの席は、劇中のバーのセットの中に座って、3コースディナーにカクテルを楽しみながら、ステージ上から芝居をみるというもの。シェフは、ホワイトハウスで、ブッシュ、オバマ政権時代に、エクゼクティブ・パティスリー・シェフを7年間務めた、ビル・ヨーゼフ氏。オフブロードウェイ「スウィーニー・トッド」で、ヨーゼフ氏のミートパイを食べたことがありますが、なかなかの美味しさでした。またヨーゼフ氏は、東京駅や羽田空港で行列ができる「ニューヨークパーフェクトチーズ」の監修もしているそう。
上演時間は途中休憩なしの約2時間。サスペンス舞台と言われるだけあって、ドキドキするストーリー展開に、ぐいぐいひき込まれ、目が離せなくなりました。スリリングながら、笑いどころもあって、とても楽しめました。お子様は、12歳以上推奨で、4歳以下は入場不可です。どちらかというと、大人向けの作品だと思います。英語が苦手な方には、ストーリーを追うのが難しいかもしれませんが、映画「ネットワーク」を観た方は、内容がつかめると思います。ブロードウェイでのネットワークの公演は、6月8日で終了です。興味のある方は、お急ぎください。
by ya
劇場
Belasco Theatre(ベラスコ シアター)
111 W. 44th St
New York, NY 10036
https://networkbroadway.com/
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