ウォールの町は、ラピッドシティーからバッドランズ国立公園にいく途中にあるほんとに小さな町です。いまから約80年前の1931年に親から相続した$3000を元手に、ドロシーとテッドは小さなドラッグストアを開業しました。
ちょうど、大不況の真っ只中でビジネスはさっぱり。トラックは通るが店に寄ってくれる人は居ませんでした。1936年の暑い7月の日曜日、ドロシーにあるアイデアが閃きました。「この暑い中、ドライバーは絶対に喉が渇いているに違いないわ!」 との事でハイウェイーに「FREE ICE WATER」というサインを出したのでした。
この単純な「アイデア」が大成功し、今日のウォール・ドラッグ店に至っています。今でも、Free Ice Water Hustead’s Wall Drugと書いた水を出してくれます。
今ではドラッグのほか、先住民アート、アウトドア用品、宝飾品などありとあらゆるグッズを売る、一大アトラクションになっていて、全米から観光客が訪れています。
そして、レストランには今でも、当時の同じ値段、たったの5セントのコーヒーが売られています。しかも、5¢と書かれた鍵も付いていない料金箱が置かれていて、だれでも5¢を入れればコーヒーが飲めるようになっています。サウスダコタにしか見られない、ほのぼのとした光景ですね。
また、ここのドーナッツが有名なのです。チョコレート、プレイン、メイプル、クリームの4種類しかありませんが、変にフワフワしていなくてなんとも味わいのあるドーナッツです。1つ食べるとお腹がいっぱいになる満足感です。
レストランでは、ロースト・ビーフやバッファロー・バーガーなどがありますが、お店の人は家族のようにお客さんに声をかけてくれて、すごくフレンドリーでした。
ローストビーフは、プラスチックのフォークが付いていますが、ステーキナイフが居るほど分厚く、しかも2枚も付いているボリュームです。これはロースとビーフではなくて、ステーキですね。
このレストランには、Hustead’sファミリーが収集した絵画が壁いっぱいに展示されていて、サウスダコタで一番のコレクションを誇っているとの事。また、クレージーホースの彫刻もレストランのど真ん中にありました。クレージーホースの肖像は、ほとんで現存しないので非常に貴重な彫刻なのだそうです。
15歳からここで働いているという、 Mike Heuther氏。全米からお客さんが立ち寄ってくれるのがうれしくて仕方が無いのだそうです。ここで従業員は、皆家族と同様に付き合っているとの事。
80年前に開業したお店をそのままに、再現してありました。間口2軒ほどの小さなお店だったのが、アイスウォーターという単純なアイデアが発端で、今は何百倍にも大きくなって、世界中から人が集まってくる、、、サウスダコタに、こんなお店があったなんて知りませんでした!
ラピッドシティーから1時間弱、バッドランズ国立公園の入り口の町ですのでバッドランズの帰りには是非立ち寄ってみてください。コーヒーとドーナッツだけでも立ち寄る価値は十分にありますよ!
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Wall Drug Store
PO Box 401
Wall, SD 57790
www.walldrug.com
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【参照サイト】
・マウントラシュモア国立記念公園の見どころ・楽しみ方
・マウントラッシュモア/アメリカのもう1つの象徴
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・サウスダコタの観光はラピッド・シティーから歴代大統領の銅像がいたる所にある街
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