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~アメリカンスピリッツを求めて②~ 「バッドランズ国立公園」バッファローと共に生きるネイティブアメリカンの聖地へ

アメリカ

前回「美しきアメリカの田舎」サウスダコタ州のハイライトのひとつ、マウントラッシュモアについて書きましたが、今回はサウスダコタ州にある2つの国立公園のひとつバッドランズ国立公園をご紹介したいと思います。
前回のブログはこちら→

 

バッドランズ、そこは荒れた地であり、聖地

ラピッドシティから大平原の中を約1時間ほど車を走らせると、忽然と岩山が姿を現します。

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ここはサウスダコタ州唯一の国立公園「バッドランズ」。その名の通り「荒れた地」で、もともとはスー族インディアンの保留地でした。19世紀後半にアメリカ政府はこの地を永遠にスー族のものと認定しましたが、すぐに国立公園に指定してしまったそうです。50万年の歳月をかけて堆積と侵食を繰り返してできた壮大な荒野は絶景です。化石の宝庫でもあります。

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トレイルもいくつかありますので是非足を踏み入れて自然の驚異を体感してみましょう。
バッドランズを間近に感じたいにお勧めなのは「ドア・トレイル」。1周約1.2キロほどで、前半は整備されたボードウォークを歩くのでとても歩きやすく、途中岸壁のふちに立って壮大なバッドランズのビューを楽しめます。

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ヘビに注意!

ラピッドシティに戻る途中、世界最大のドラッグストアとして有名な「ウォール」に立ち寄りました。
ここはドラッグストアというより、サービスエリアのような施設で、レストランやショップ、ミュージアムやゲームコーナーなどがある楽しいレジャースポットです。

実はこの「ウォール」には興味深い歴史があります。
1931年に何もないこの地にハステッド一家が小さなドラッグストアを開きましたが、なかなかお客さんがきません。通りすがりの車を見ていた奥さんが当時エアコンのない車で長距離ドライブに疲れきった観光客を多く目にし、「Free Ice Water」(無料の冷たい水)という看板を道路脇に立てたところ、多くの人が立ち寄るようになり大繁盛しました。そして観光客を楽しませるように今のような大規模な店になったようです。

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ウェスタンハットやブーツなども豊富でアメリカらしいお土産が見つけれらるかも。他にも人気のアイスクリームやドーナツもあるのでゼヒお試しください。

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名物のバッファローバーガーも食べました。
バッファローバーガーはビーフより脂肪分が少なくて、とてもヘルシーです。もっとパサパサしているのかと思いましたが、思ったよりビーフに近くてあまり味の違いは感じませんでした。

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バッファローとネイティブアメリカン

バッファローを食してしまいましたが….  サウスダコタを旅する上で語らなくてはならないバッファローについて少しお話ししたいと思います。

カスター州立公園では野生のバッファローが数多く生息しています。
バスの横を悠々と歩くバッファローにも遭遇したりします。

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昔からこの地に住んでいた先住民にとってバッファローは切っては切れない密接な関係にあります。バッファローはアメリカ大陸にかつて1500万頭が生息してたといわれ、先住民の大切な食糧であり、生活の道具でもありました。

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この看板にあるように、バッファローの身体全てを生活の為に使っているという説明があります。
例えば毛皮は衣服やベッド、住居のテントを作るのに利用し、膀胱は水筒、骨は調理器具や狩猟の道具など、ありとあらゆる部分を使って生活していました。先住民にとってバッファローは生きていくために欠かせない存在であり、また神聖な動物として大切に敬い共存してきたのです。

ところが、19世紀半ば、アメリカの白人は先住民を支配下に置くため、彼らが食糧にしていたバッファローを殺害するようになりました。1902年には、イエローストーン国立公園内の個体はわずか20数頭にまで減少して絶滅の危機にありました。その後、懸命な保護活動によって生息数が現在は3万頭くらいまで回復しているようです。

ところで、バッファローとは実は俗称で、正式な学名はアメリカンバイソンです。
もともと、先住民たちの言葉で「バイソン」と呼ばれていたのですが、白人の入植者たちが、なじみのあるヨーロッパの水牛(バッファロー)と呼んでから定着していってしまったようです。
ここからは正式にバイソンと呼びましょう。

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そしてちょうど、サウスダコタを訪れていた、昨年の2016年5月9日、このバイソンがバラク・オバマ大統領より「アメリカ国定哺乳類」に指定されました!
その理由は、バイソンはアメリカの歴史的な象徴であり、多くの先住民の経済および精神生活と密接に結びついているからだとのこと。アメリカの国鳥、白頭ワシとともに晴れてバイソンがアメリカを象徴する動物と認められたのが嬉しいですね。

サウスダコタの先住民の歴史、生活を語るにはバイソンは欠かせない存在なのでした。
みなさんも今なお根付くアメリカンスピリットを求めてサウスダコタを旅をしてみませんか。

by フィオナ

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