中世ルネサンス期にタイムスリップしたかのような古都、チェスキー・クルムロフは、町全体が世界遺産。チェコ南ボヘミア州に位置する小さな田舎町です。
コバルトカラーに彩られた街並みは、散策するだけでもわくわくしちゃう。おとぎ話に胸躍らせた子供に戻って、メルヘンな世界に浸りましょう。ボヘミアの緑深い森、馬の蹄の形に流れるブルタヴァ(モルダウ)川、咲き乱れる花々。この美しい街に付けられたあだ名は「眠れる森の美女」。ほかの都市が近代化していく中、チェスキー・クルムロフだけが時を止め、中世のままに残されたのには理由があります。河川貿易によって栄えたこの町は、ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココなど、時代時代を反映する様式の建物によって形成されました。しかし20世紀、ヨーロッパ全土で工業化が進む中、手工業中心だった町はやがて放棄され、廃墟となってしまいました。これが逆に、近代以前の姿を保全することになったのです。
改築や戦争による破壊から免れたチェスキー・クルムロフは、1989年ビロード革命以降の民主化により修復され、観光地として生まれ変わりました。というわけで現在のチェスキー・クルムロフは、生活する場所というより、昔の面影を残すための町。修復には膨大なお金がかかるので、ちょっとした工夫がなされています。市街地のあちこちに見られる壁や窓、城壁…なんと、スグラフィット(だまし絵)なのです!建物自体はもちろん当時のものですが、壁の細部は精巧に描かれた絵。町のシンボルとしてそびえるチェスキー・クルムロフ城の中庭も、切石積みの壁絵です。
この城は13世紀、南ボヘミアのヴィテーク家領主クルムロフが築城。17世紀以降現在も、城の中ではクマが飼われています。
街の中心にあるスボルノスティ広場は、16世紀ルネサンス様式の市庁舎に臨み、ホテルやカフェが立ち並ぶ憩いの場。
最初に砦が築かれたというベルグフリード塔、尖塔が美しい聖ヴィート教会など、中世の城を中心とする景色はまさにファンタジー。オレンジ色に統一された屋根が青い空に映える、絵本のような風景です。
by ST
Photo:CzechTourism/Roman Cestr
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