マンハッタンから北へ80キロほど、米国最初そして最大級の陸軍士官学校ウエストポイントがハドソン渓谷の森の中にその姿を現します。 日本で言うところの防衛大学です。 精神力・頭脳・体力全てにおいて選び抜かれたエリートしか入学できないこの陸軍士官学校からは歴史上重要な将軍が輩出されました。 第二次世界大戦でヨーロッパの連合軍最高司令官となり、米国代34代大統領にもなったアイゼンハワー将軍もここの出身です。
さて、ウエストポイントに入る為にはオフィシャルツアーに参加しなければいけません。1時間ツアーと2時間ツアーが毎日何回も催行されています。 ビジターセンターで写真付きのID(身分証明書)を見せてスケジュールにあったツアーに申し込みをします。(ツアー15分前までには申し込みが必要です)
今回は2時間ツアーに参加しました。バス乗車口で再度IDチェックをしたらウエストポイントツアースタート。ツアーバスはふかふかして座り心地抜群。
まずは士官学校の歴史や士官生のキャリアの話をききながら大きなネオゴシック調のメイン礼拝堂へ。
ヨーロッパの大聖堂を思わせる重厚で豪華な造り。
ちょうどパイプオルガン演奏者が近く開催されるコンサートの練習をしているところで大迫力のパイプオルガンも楽しめました。
その後 独立戦争時から現在の戦争(イラクやアフガニスタン)の戦没兵士の眠る墓地へ。ここには母国の為に命を落とした勇敢なウエストポイントを卒業生が埋葬されています。
そばに建つのはネオクラシック調の古いチャペル。ここにもたくさんの歴史・エピソードが残っています。
その後士官学生達が実際生活する寮や食堂、グラウンド、新しい図書館等の話を聞きながらツアーは進みます。
残念ながら実際に食堂や寮に入る事はできませんが、ガイドさんのお話から規律正しい生活をする士官学生の様子を知ることができました。
大きなモニュメントの建つトロフィーポイントからはハドソン渓谷の絶景が広がります。 数あるハドソン渓谷の絶景ポイントの中でもこのウエストポイントのパノラマは随一です!
緑の濃い渓谷の森の中の学校では、夜間サバイバル訓練も行われるのだとか。(近くに住むガイドさんいわく、よくライフルの銃声が森の中から夜な夜な聞こえてくるのだとか・・・
さて、ツアー終了後向かったのはウエストポイントミュージアム。 ここには独立戦争から現在の戦争の歴史がぎっしりと詰まっています。 日本との大戦に関連した戦時品も・・・1945年9月、ミズーリ艦上で当時の外務大臣重光葵と参謀総長の梅津美治郎に署名された連合国への降伏文書(本物はワシントンの公文書館と外務省外交資料館に保管されています)
山下 奉文陸軍大将の刀
そしてなによりここで見ておきたいのが広島に落とした原子爆弾の原寸大の原爆模型(Fatman)
実際の長崎原爆のプラグ(起爆ピン)も展示されています。
この原爆模型を目の前に、こんな爆弾で1つの都市と何万もの命が一瞬で消え去ってしまったのか・・・と驚くと同時に人類科学の進歩に恐怖を覚えました。母国の為に命を捧げ、これからの世界平和を担うエリート士官学生。若者たち。平和な世界を築いていって欲しいものですね。
[by カワ]
【参考記事】
・スミソニアン航空宇宙博物館新館~月光、紫電改、桜花、屠龍、晴嵐~
・スミソニアン航空宇宙博物館 ~ポロ11号、ゼロ戦などの展示~
・イントレピット航空宇宙博物館~硫黄島の上陸作戦にも参加した航空母艦
・コロラド・スプリングスにあるエアー・フォース・アカデミー(空軍士官学校)
・シカゴ科学産業博物館ナチス・ドイツの巨大な秘密兵器「Uボート」は必見!
【関連ツアー】
・ニューヨーク1日市内観光 ~マンハッタンストーリー・デラックス~
・夜景ざんまいツアー ~マンハッタンの夜景を満喫します~
・ニューヨーク発ナイアガラ1日観光 ~往復航空機利用、昼食付き~
・「鉄道の旅」アムトラックで行く首都ワシントン1日観光
・メトロポリタン美術館 「美術専門ガイドによる解説ツアー」