2003年に映画版の「スクール・オブ・ロック」がアメリカで公開。その12年後の2015年に初公演を迎え、今もなお愛されるコメディー・ミュージカル。
<あらすじ>
学生時代同じバンドで演奏していたニックの家に居候していたデューイだが、これ以上長く居座るなら、家賃を払うように迫られる。ひょんなことから、有名私立学校の臨時教師となったデューイは、ロックで生徒たちの心をあっという間につかんでいく。小学校なのに授業はなんと“音楽”のみ!生徒たちの悩みや思っていることをロックに乗せていくうちに、演奏の腕はメキメキと上がっていった。ついには、大人が出場するバンドバトルの出場を目指すことに!?その夢は叶うのだろうか。
<みどころ>
デューイの迫力満点の演技!
こちらは、圧巻です。デューイは、あまりモテそうにない見た目の設定ですが、あれだけ動いたら一回の公演で体重が減りすぎてしまわないか心配になりました。デューイの言動は先生としてはまずい部分がありますが、キャラクターとしては愛されるキャラだと言えます。
子供たちの苦悩
裕福な家庭に生まれ、しっかり勉強できる環境が整えられた子供たち。一見誰からも羨ましがられるような家庭だが、子供たちには悩みがあったのです。それは、誰も本当に「子供の声」を聞いてくれないということでした。親は子供の学力のことだけを考えていたり、仕事が忙しすぎていたり、子供たちの悩みを聞いてあげられていなかったのです。その苦悩がロックを生み出す原動力となっていきます。この姿に涙をながしながら見てました!
もちろん演奏
「これは、よくある質問なのですが、子供たちが本当に演奏しているんです。」というアナウンスとともに劇がはじまるくらい、大人も盛り上がることができる演奏がきけます!何度も言いますが、子供たちが実際に弾いています!
ベース、ギター、キーボード、コーラスなどなど演奏担当に振り分けられる子供たちは、それぞれのキャラクターの味が出ていて、時には演奏だけで泣かされてしまうような場面もあるかもしれませんよ。
<総評・最後に>
実際には起きそうにない設定ではあるものの、細部については、気持ちの変化が非常によく描かれており、ファミリー向けのミュージカルとして一押しです。子供たちが学校や親から規制を受けながらつまらなそうに送っている生活から、音楽をきっかけに彼らがイキイキとかわっていきます。また大人たちは、子供たちが問題なく幸せに育ってくれることを望みながら、ロックなんてとんでもないと思って規制をかけていたのに、子供たちの幸せそうな様子をみて自分のやり方について反省し、楽しそうな姿を後押ししたくなっていきます。子供の立場から見ると、とてもうらやましく自分もこうありたいと思い、親の立場から見ると、こんな風に子育てができたらいいだろうなと思ってしまいます。
家族で見て、みんなが幸せになることのできるミュージカルです。
アンドリュー・ロイド・ウエバーの新曲14曲と映画のオリジナル楽曲をフィーチャー!というだけでも十分に見所なのですが、ご家族で一度ぜひぜひ見にいってください。
By Masato Suzuki
【劇場】
Winter Garden Theatre
1634 Broadway
New York, NY 10019
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