ブルーススプリングスティーンやモリッシーなど、ブロードウェイでミュージシャンがレジデンシーを行なう公演が話題になりましたが、今度は、元トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンのブロードウェイ公演David Byrne’s American Utopiaが始まりました。トーキング・ヘッズのギター&ボーカルとして知られるデヴィッド・バーン。ニューヨークの伝説のライブハウス「CBGB」出身のトーキング・ヘッズは、アメリカの80年代のニューウェーブを代表するバンドの1つです。解散後も、トーキング・ヘッズは多くのファンを持っています。セレーナ・ゴメスも大ファンだそうで、彼女のヒット曲「Bad Liar」は、トーキング・ヘッズの曲「サイコキラー(Psycho Killer)」のベースラインをサンプリングして作られたことが知られています。またデヴィッド・バーンは、映画「ラストエンペラー」の音楽を手がけ、坂本龍一とともに、1987年度アカデミー賞作曲賞を受賞している実力派です。
ブロードウェイでは、ミュージカルや演劇が一般的ですが、このDavid Byrne’s American Utopiaは、音楽コンサートで、ストーリー性は、ほぼ、ありません。今回の公演は、2018年に発表されたデヴィッド・バーンの同名のソロアルバム「American Utopia(アメリカン・ユートピア)」と、その発売を記念する世界ツアーを元に、このブロードウェイ公演のために、照明や音響、振り付けなどの制作チームを迎えた特別公演となっています。ムーランルージュ・ザ・ミュージカルやビートルジュースの演出を務めているブロードウェイの売れっ子演出家アレックス・ティンバースも制作コンサルタントとして参加しています。この作品、アメリカン・ユートピアは、イギリスの月刊音楽雑誌「Q」が主催するアワードで、2018年のベスト・ライブ賞にテイラー・スウィフトらと共にノミネートされています。
会場には、トーキング・ヘッズなどの過去のコンサートのポスター等が展示されているコーナーもありました。デヴィッド・バーン本人のコレクションからの展示だそうです。世界中から集められたというバンドは、ドラムやパーカッションを担当、その他、ギター、ベース、コーラス兼ダンサーなどデヴィッド・バーンを含め全12人の構成で、すべて生演奏をしているそうです。特に、6人のリズム隊が織りなすサウンドは圧巻です。ほぼ空っぽのステージをフルに使い、ミュージシャン達が、所狭しとフォーメーションを展開します。大人のマーチングバンドと行った感じでした。光と陰を、巧みに使ったや演出やバンドのフォーメーションを見るのには、オーケストラ席より、全体を見下ろせるメザニン席で見ると見やすいかもしれません。ソロアルバム「American Utopia」の曲を中心に、トーキングヘッズ時代の曲などを織りまぜた構成で、デヴィッド・バーンのファンには必見です。上演時間は、途中休憩なしの約100分。16週間限定の公演です。お見逃しなく。
by ya
【劇場】
Hudson Theatre(ハドソン・シアター)
139-141 West 44 Street
New York, NY 10036
http://www.thehudsonbroadway.com/
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