5番街の1本東のマジソン街の36丁目と37丁目の間にある、知る人ぞ知る美術館モーガン・ライブラリー&ミュージアム 地味なマディソン街の住宅街の一角にあって、これまた地味な入り口なので通り過ぎてしまいそうです。
全米、いたる所にあるチェイス銀行の親会社である、J. P. モルガン・チェイス&カンパニーの創設者でもある、J. P. モルガン・ジュニアが父親のピアモント・モルガンのライブラリーを1924年に一般公開したのが、このモーガン・ライブラリです。
ピアモント・モルガンは銀行家、投資家としてアンドリュー・カーネギーを買収してUSスティールを創設また、多くの鉄道会社を経営、統合して、19世紀末には世界一の銀行家、そしてアメリカ最大の財閥の1つになったのだそうです。
当時は各地に鉄道会社が乱立していて、激しい価格競争から経営不振に陥る会社も多くピアモント・モルガンは潤沢な資金力でこれらの会社を再建、統廃合を行って利益が出せるようにしました。
陸上を鉄道で輸送された、西部からの貨物は、東海岸の港からイギリスの海運会社でヨーロッパに運ばれていた訳ですが、やはり海運業界も価格競争が激しく業界が疲弊した中で、ピアモント・モルガンは海運業界の統廃合も行ったのだそうです。
1902年にモンテズン・ラインやイギリスの海運会社を買収し、国際海運商事(IMM)を設立しますが、このIMM社は、タイタニック号を建造・就航させたホワイト・スター・ライン社の親会社だったとの事。
また、ピアモント・モルガンは製鉄業界も統合してUSスティールを設立しましたが、カーネギー・スティールの買収は4億8700万ドルという巨額の取引だったにもかかわらず、契約書もなく弁護士も介在しなかったのだそうです。
36丁目のマジソン街の自宅は個人の家として初めて電化住宅として電灯が灯った家だったそうですが、ピアモント・モルガンは、エジソン・ゼネラル・エレクトリック社とトムソン・ヒューストン・エレクトリック社の合弁を実現させて、後のゼネラル・エレクトリック(GE)をも創設しました。
(↑ラベルの自筆の譜面 La valse-piano solo version 1919-1929)
彼は芸術品の収集家としても有名で、貴重な本をはじめ、絵画、楽譜、印刷物、直筆のメモなど、ありとあらゆるコレクションを誇ったそうで、メトロポリタン美術館や生家のあるコネティカット州のワズワース図書館などに、膨大な芸術品を寄贈しています。
またメトロポリタン美術館の設立に深く関わり、館長を務めた時期もあったとの事。また芸術品のコレクションの価値は当時で5,000万ドルといわれています。
現在のモーガン・ライブラリーは、ニューヨークの市庁舎やニューヨーク図書館を設計した著名な建築家のチャールズ・マッキムのデザインだそうで、彼の代表的な作品にもなっているそうです。
現在のモーガン・ライブラリーに展示されているコレクションは当時の膨大な収集品のほんの一部ですが、アメリカの激動の時代を生きたピアモント・モルガンの生き様と重ね合わせて楽しむ事ができる点では、訪れてみる価値ありだと思います。
ニューヨークには美術館、博物館が目白押しですが、このモーガン・ライブラリーは一味違った充実した時間を過ごせること間違いなし。時間があれば、是非訪れてみてください。
【参照サイト】
The Morgan Library and Museum
225 Madison Ave, NYC NY 10016
www.themorgan.rog
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