マウントラシュモアの4人の大統領の巨大な顔の彫刻は、誰しも見たことがあると思いますが、それが何処にあるのかまで即座に答えられる人はそれほど多くないかもしれません。サウスダコタ州の西の端、キーストンという町にあります、と言われても瞬時に地図の上でポイントアウトできる人も、そう多くはないでしょう。
キーストンの町はラピッドシティーからほんの20分ほどですが、1876年に金が見つかり金鉱町として栄えた所だそうです。「大草原の小さな家」の作者、ローラ・インゲルスの妹のケリー・インゲルスが1911年にキーストンに引越し、この町に36年間住んでいたのだそうです。
また、サウスダコタで唯一の蒸気機関車、「1880トレイン」の始発駅もここキーストンにあります。さて、マウントラシュモアですが、世界中から年間で300万人もの観光客が訪れるのだそうです。この巨大な彫刻は独創的かつ行動力のあるアメリカ人が、勝手に彫り始めたものと思い込んでいたしたが、実は政府の国家プロジェクトとして1927年から14年間の歳月をかけて、400人もの作業員を動員して完成したものだそうです。
政府から委託されたのはアイダホ生まれの画家、彫刻家のジョン・ガットスン・ボーグラム氏。1800メートルの高さが周囲を圧倒しているのと、花崗岩のキメが細かく、1日中太陽が当たるという事でラシュモア山を選んだのだそうです。
左からジョージ・ワシントン、トーマス・ジェフェーソン、セオドア・ルーズべルトそしてエイブラハム・リンカーンの4大統領ですね。セオドア・ルーズベルトだけ少し奥まったところにありますが、当初は別の場所に彫る予定だったのが岩盤に問題があって今の位置になったとの事。
年間300万人もの観光客が訪れるだけあって、レストランも大きくメニューも充実しています。ここの名物「Predidetial Soda」。人気の誰でも知っている大統領のブランドは直ぐに売り切れてしまいます。
ここ、キーストーンの町にはいくつもホテルがありますが、ラシュモア山を望むことができる山の中腹に瀟洒なたたずまいの「K bar S Lodge」があります。地味ですが落ち着いた、自然に溶け込む建物で、マウント・ラシュモアやカスター州立公園をじっくりと観光したいという、ハイクラスな観光客に人気のホテルです。
ログハウス風のロビー。 暖炉のあるラウンジの大きな窓からマウント・ラシュモアを眺望できます。お部屋も大きく、3~4泊するお客さんが一般的との事。
マウント・ラシュモアは朝一番に訪問すると、朝日がちょうどビジターセンター方から当たり、ベストな写真を撮る事ができます。夕方に行くと逆光になってしまいますが、5月下旬のメモリアルデーから9月のレイバーデーまでは、9PMからライティングセレモニーが行われますので、カフェで夕食をとりセレモニーを観賞するのもお薦めです。
野外ステージで、ヒストリアンのレクチャーがあり、ライティングが始まります。マウントラシュモアはアメリカ人にとって民主主義の殿堂でもあり、このセレモニーは厳粛に行われますので、一見の価値ありです。
以前は誰でも山に登ることができたようですが、いまは登れません。自由の女神同様、アメリカのシンボルですから厳重な警備がされているということなのでしょう。
岩山に巨大な彫刻を造るという発想が、すでに超ド級のスケールで、さすがにアメリカらしいと思いますが、さらに凄いプロジェクト「クレージーホース」がここから直ぐ近く、15分ほどのところにあります。こちらも、いつ完成するかわからないという気の遠くなるような壮大なプロジェクトです。マウント・ラシュモアに来たら、是非クレージーホースにも足を伸ばされて訪れていただきたいですね。
【参照サイト】
・マウントラシュモア国立記念公園の見どころ・楽しみ方
・マウントラッシュモア/アメリカのもう1つの象徴
・人気の添乗員「堀ちえみ」のイエローストーン国立公園へお誘い
・バッドランズ国立公園 50万年の歳月が生み出した想像を絶する荒野
・インディアンの聖地「デビルズタワー」 ラピッドシティー~デッドウッド~
・ケビン・コスナーが惚れ込んだブラック・ヒルズとケビン・コスナーの店
・サウスダコタの観光はラピッド・シティーから!歴代大統領の銅像がある街
・マウント・ラシュモア~クレージーホースからニードルアイ・ハイウェイー
・クレイジーホース記念碑「コルチャック家族の自費で営むロジェクト」