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ニューヨークの5番街の基点「ワシントンスクエアーの平和凱旋門・戦勝記念碑」は実は日本人が造った!? 知られざる彫塑家・川村吾蔵

ニューヨークの5番街の南の突き当たりには、ニューヨーカーの憩いの場所ワシントン・スクエアーがあって、まさにそのシンボルとなっているのが凱旋門ですね。ストリートパフォーマーや、NYUの学生達でいつも賑わっている楽しい所です。

パリの凱旋門にはその大きさで到底及びませんが、その佇まいはニューヨーカーのみならずNYを訪れた人なら必ず写真を撮る、印象に強く残る風景でもある事はまちがいありません。

 1918年に完成したこの平和凱旋門は、実は知られざる彫塑家の川村吾蔵氏の作品なのだそうです。川村吾蔵は1887年、長野県の佐久に生まれ1904年に渡米、ボストン、ニューヨークのナショナル・アカデミー・デザインに学び1907年の同校の彫刻コンクールで一等賞を受賞しました。 

 1910年にはアメリカ人の彫刻家マクニモス氏に師事するためフランスに渡ります。1912年にはあのオーギュスト・ロダンに助手になることを勧誘されたが、晩年のロダンよりマクニモスの助手としての活動をの方を選び、ロダンの誘いを断っています。

 

1913年にはエコール・デ・ボザールの特待生となって翌年にはパリに来ていた島崎藤村とも出会っています。 この年に平和凱旋門のジョージ・ワシントン戦勝記念碑の原型像の完成を手伝っています。

そして1918年には、このワシントン戦勝記念碑をマクニモスとの共作で完成させています。川村吾蔵の作品はこの他にもニューヨーク近郊にいくつか残っています。

ニューヨーク市庁舎にあった、Civic of Virtueは財政難でクイーンズ区のボローパークに移設され長いこと修復もされずに70年間も野ざらしにされていましたが、昨年やはり財政難から突然、Green Wood Cemetaryに移設されてしまいました。この作品はイタリアから22トンもの大理石を運んだ大作だったそうです。

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また、ニュージャージーにあるプリンストン大学にも川村吾蔵の作品があります。1922年に完成した大作、ジョージ・ワシントン戦勝記念碑は高さ12メートルもあります。

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そしてブライアント・パークに隣接したニューヨーク市立図書館にも作品が残っています。正面入り口の向かって右と左に立つ「美と哲学」1922年の完成です。

鳩が寄り付かないようにネットがかぶせられていますが、90年の歳月を経てやはりかなり傷みが進んでいるように見えました。

川村吾蔵は当時ニューヨークに居た野口英世高峰譲吉との交友も深めています。1922年の7月22日に高峰譲吉が他界した際、吾蔵はそのデスマスクを製作しています。全てが順調だった川村吾蔵ですが、フランスの陸軍大佐の娘でマクニモスの見習いだった美貌のジーネ・ファーキューと1916年に結婚をしますが、やがて彼女の嫉妬が昂じて1935年に破局を向かえ離婚しますが、ほとんどの財産を失ってしまいます。

1940年、36年ぶりに日本に帰国した川村吾蔵は1944年に長野の郷里に疎開し一時農業に従事するも終戦後GHQに呼び出されて、マイケル・バーガー中将ダグラス・マッカーサー元帥の胸像を製作します。今も第一生命ビルのマッカーサー記念室にそれは展示されています。

ニューヨークの他にも、ワシントンDCの最高裁玄関両脇にある巨大な坐像JUSTICE川村吾蔵マクニモスの作品です。普段何気なく目にしていた彫刻ですが、特にワシントンスクエアーの凱旋門のジョージ・ワシントン像は、北に伸びる5番街の方角を見据えている姿が非常に印象的でした。

ニューヨークの郊外には今も野口英世高峰譲吉のお墓もあります。時間を越えて今も残る作品を観ながら、当時の先人たちの偉大な足跡に遠く思いを馳せてみるのも、ニューヨークの過ごし方ですね!

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関 克久

関 克久

Sales & Marketing Div., GM at JTB USA Inc.,
旅行のプロデュースに携わって30年。趣味は写真。「百聞は一旅に如かず」旅に出て初めてわかるのは、実は故郷の良さなのかも知れません。旅は百薬の長がモットーです。
関 克久

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