ニューヨークのグッゲンハイム美術館にて、伝説のアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の特別展「Basquiat’s “Defacement”: The Untold Story」が開催中です。
バスキアは、ブルックリン生まれのハイチ系アメリカ人の画家で、1980年代に大活躍していましたが、1988年に27歳という若さで薬物の過剰摂取で亡くなってしまいます。人種問題などをテーマに扱ったエネルギッシュでユニークなバスキアの作品は、没後も多くの人を魅了し続けています。アート界やミュージシャンなどにも影響を与えていて、ラッパーのJay-Zは、歌詞の中でバスキアの名前を引用しています。世界中にコレクターも多く、数年前には、日本の実業家が123億円で、バスキアの作品を落札し、話題になりました。彼の作品中よく見られるトレードマークの王冠は、バスキアの名前をご存知なくても、ユニクロのTシャツなどで、見覚えがある方もいるのではないでしょうか?
グッゲンハイム美術館でのこの特別展は、1983年に、L線の1st Ave駅にグラフィティを描いていたところ鉄道逮捕された、若きアフリカ系アメリカ人のアーティスト、マイケル・スチュワートが、警察の暴力行為により死亡したという事件から発展した社会問題に反応したアーティスト達の作品が展示されています。バスキアは、自身も、グラフィティを描いていた時期があり、時や場所が違ければ、自分の身に起こったことかも知れないという思いを抱き、友人であった、キースへリングのスタジオの壁に、今回のエキシビジョンのタイトルにもなっているDefacement(原題:The Death of Michael Stewart )を描きます。バスキアは、この作品を公開をするつもりで、描いたものではなかったそうですが、キースへリングが、スタジオを引っ越す際に、この作品の部分の壁を切り抜き、フレームに入れて、彼のベッドルームに飾っていたものだそうです。この特別展では、マイケル・スチュワートの事件をテーマにした、キースヘリングの作品やアンディウォーホルの作品もありました。
Defacementの他にも、バスキアが、警察をモチーフとして描いた作品も合わせて展示されています。
人気の展示のため、入場規制がかかり、行列ができることもあるそうです。この特別展は、11月6日まで開催中です。
グッゲンハイム美術館は、アメリカを代表する建築家フランク・ロイド・ライトの代表作の一つでもあります。今年の7月に、同じくフランク・ロイド・ライトが設計したペンシルバニア州ピッツバーグの落水荘などと共に世界遺産に認定されています。
by ya
Solomon R. Guggenheim Museum(グッゲンハイム美術館)
1071 5th Ave,
New York, NY 10128
https://www.guggenheim.org/exhibition/basquiats-defacement-the-untold-story
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