日本人にも馴染みがあるFOX社制作、1997年に公開された映画「アナスタシア」
今春ブロードウェイデビューを飾ります。
20世紀初め、まだ栄華を誇っていた帝政ロシアから第二次世界対戦後の華やかな1920年代のパリが舞台のミュージカルです。
実物のアナスタシアが革命のため殺害された後に遺体が見つからず、実は生存しているのではと人々が噂をするなか、自分こそがアナスタアシアと名乗りを上げる女子が続出した「アナスタシア伝説」を下敷きにファンタジーへと昇華しています。(その後アナスタシアの遺骨は1991年にエカテリンブルク近郊の森の中で発見されました。)
過去の記憶を失った皇女アナスタシアが記憶を取り戻しながら恋もし、成長する物語です。
脚本は「フル・モンティー」「ラグタイム」でトニー賞を受賞した劇作家テレンス・マクナリー。
トニー賞受賞作曲家シュテファン・フラハティ。作詞家リン・アレンス。
「紳士のための愛と殺人の手引き」でトニー賞を受賞したダルコ・トレスニャクが演出を手掛けます。
振り付けはペギー・ヒッキー。
アナスタシア役は「マンマ・ミーア」出演のクリスティー・アルトメアが演じ、ディミトリ役はデレック・クリーナが演じます。
こちらの作品、上演前はコマーシャルなどもどちらかというと控えめで正直中身があまり想像しにくかったのですが、実際に観劇した後、期待以上の感動と驚きがありました。
まず、舞台セットと衣装のすばらしさです。
電光掲示板のようなセットを存分に活かし、お城内、ロシアの街角、電車で移動中、ようやくパリに着いた後など絶妙に表現されて大変分かり易いです。華やかなドレスやタキシード、ファンタジーの中に難なく引き入れられる迫力で女子は胸が躍る仕上がりとなっています。
そして身分を越えた恋という、永遠のテーマを可愛らしくそして丁寧に描いた演出はニューヨーカーもため息をもらし、脇役のコメディセンスに爆笑の嵐でした。
このミュージカルはお子様、カップル、ご家族、女性同士、とどなたに向けてもお勧めです。
筆者もこのアナスタシアが今一番ブロードウェイで気に入っている作品となりました。
何度見ても楽しめる作品ですのでまた鑑賞し新たな発見をしたいです。
ミュージカルよりも先に謎に包まれた実際のアナスタシア伝説に引き込まれてしまいましたが、
映画「アナスタシア」ファンの皆様、期待を裏切らない楽しいプリンセス物としても必ず鑑賞したい作品です。
by Misaki
【劇場】
Broadhurst Theatre
235 W 44th St,
New York, NY 10036
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